シャッターに絵を描く、シャッターアートというものがあります。かわいいイラスト、リアルなもの、トリックアートのようなもの。シャッターアートは1つの文化として、たくさんの種類の作品を生んできました。しかし「アート」というからには、絵以外にも、音楽・彫刻・パフォーマンス・インスタレーションなど、いろんなものがもっとあっても良いはずです。
この作品は、しゃべるシャッターです。逗子銀座商店街にある、大喜屋のシャッターは、50年以上もこの商店街を見てきました。そんなシャッターがしゃべるとしたら、何を語るのでしょうか。
2015年10月10日から3日間、顔デバイスを取りつけ、
しゃべるシャッターのインスタレーション作品を展示しました。
自分の店が見れない
「わたくし、シャッターなので、前しか見ることが、できません。
だから、自分のシャッターの中が、どんなふうになっているのか、知らないのです。 もう50年以上も、こうしてシャッターをやってきているのに。自分がなんなのか、知らないんです。 」
隣の店がどんな店なのか知らない
「わたくし、シャッターは、首を回して、隣を見ることができないため、隣のお店が、どんな店なのか、知らないんです。人間には、シャッターのこの寂しさは、わからないでしょうね。 」
向かいのシャッターに、恋している
「ここだけの話、向かいのシャッターとわたくし、付き合ってるんですよ。彼女はいつも、ガタガタと、セクシーな音を鳴らすんです。 いつか彼女と、直接くっつけることを夢見ているんです。商店街の皆さんには、内緒ですよ。 」
商店街のことを想い、憂いている
「昔この街に、映画館は、4つもありました。そこのパチンコ屋のキングも、映画館だったんですよ。 今度は、あそこのスーパーがつぶれて、もう1つにパチンコ屋ができるそうですね。また映画館ができたら、どんなに楽しいでしょうね。 商店街とは、一体なんなのでしょうか。」